「ゆふいん文学の森」は本の読める喫茶室。ゆったりとした読書時間を味わう。太宰治が暮らした碧雲荘を移築【湯布院町】

ゆふいん文学の森 大分

この記事では、大分県由布市湯布院町にある「ゆふいん文学の森」を紹介します。

本の読める喫茶室」という言葉に惹かれて行ったのですが、その建物は小説家「太宰治だざいおさむ」が暮らしていた「碧雲荘へきうんそう (東京都杉並区)」を移築したものだと知り、とても驚きました。

読書も料理も部屋の雰囲気も太宰治も楽しめるので、読書好きにはぜひ訪れてほしい場所です。

では、紹介していきます!

※旅行日付は2023年11月2日です。この記事の情報は旅行当時のものであり、現在では変更されている可能性があります。訪れる際にはご注意ください。

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「ゆふいん文学の森」とは?

ゆふいん文学の森

ゆふいん文学の森」は、大分県由布市湯布院町にあります。湯布院温泉で有名な「湯布院」です。

名称ゆふいん文学の森
住所〒879-5114
大分県由布市湯布院町川北1354-26
料金メニューはこちら
営業時間10:00〜17:00
駐車場[無料] 数台
トイレあり
所要時間カフェのみ:約30分
本を読むなら:時間が足りない

由布院駅から車で約10分、「湯布院」の街中から少し離れた場所にあります。

「ゆふいん文学の森」の魅力

①太宰治が暮らした「碧雲荘」を移築

ゆふいん文学の森

「ゆふいん文学の森」の建物は、小説家である「太宰治だざいおさむ」が暮らした「碧雲荘へきうんそう」を東京都杉並区から移築して持ってきたものだそうです。最初に聞いた時は理解が及ばなかったのですが、東京からここ大分県の湯布院まで運んできたそうです。

入口では「太宰治」が迎えてくれています。入り口から見ると左上のこの窓の部屋。ここで太宰治が暮らしていたそうです。

ゆふいん文学の森

当時の姿のまま、東京から約800kmも離れた「湯布院」で出会うことができるとは。関わった全ての方にお礼が言いたいです。そして、この「ゆふいん文学の森」では、実際に太宰治が暮らしていた部屋も見学することができます。

太宰治の部屋「HUMAN LOST」

ゆふいん文学の森 - 太宰治が暮らした部屋「HUMAN LOST」

2階に上がって左奥の部屋、現在では「HUMAN LOST」と名付けられている部屋です。ここで太宰治は「人間失格」の原型と言われる「HUMAN LOST」を執筆したんだそうです。この建物のこの場所で、どのように暮らし、どのように書いていたのか。

ゆふいん文学の森 - 太宰治が暮らした部屋「HUMAN LOST」

実は「ゆふいん文学の森」に初めて行った時には太宰治の作品をちゃんと読んだことがなく、学校の授業で読んだくらいで、「人間失格」についても名前を知っているだけでした。ただ、ここに初めて行った時、本棚に「人間失格」が並んでいて「これは今読むタイミングなのでは?」と読み始めました。

ゆふいん文学の森
▲「ゆふいん文学の森」には、太宰治以外の本もたくさん並んでいる

1日では読むことができず、結局、本屋で購入し(文学の森でも書籍の販売はしているが、ちょうど売り切れだった)2回目に行くまでに読み切りました。

「人間失格」を読んだ後にこの部屋に入ると、太宰治がどのような思いで書いていたのか、どのような気持ちでここにいたのか、もっと知りたくなりました。

太宰治の本をここで買う、という楽しみも増えました。

②本を味わう空間

「ゆふいん文学の森」は、太宰治が暮らしていたという魅力があるのはもちろんなのですが、それ以外に本を楽しめる空間であるということも魅力です。1階は「本の読める喫茶室」、2階は「読書スペース」になっています。

1階「本の読める喫茶室」

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

1階は「本の読める喫茶室」。入り口で喫茶メニューを注文します。(食事については「ランチ・軽食」で紹介しています。)

玄関から入ると出迎えてくれるのはアジアの空気を感じる部屋。もう既にこだわりが伺えます。まだこれが入口の部屋だということに驚かされます。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

ここから奥の部屋に行く途中には本が並べられ、外の方を向いた椅子が置かれています。ちなみに「人間失格」が置いてあったのは、ここの棚。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

椅子の目の前の窓は大きく開けられていて、ここを流れる空気がなんとも気持ちが良いです。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

椅子に座ると見える庭は、緑に囲まれ自然と心も落ち着きます。気持ちの良い風を感じながらのここでの読書は他ではなかなか味わえない体験です。ふと見を本から上げると綺麗な庭が見えるのがまた心地良いです。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

この庭の見える椅子の先には和室が2部屋あります。手前側の和室の入り口には、大きな大きな椅子。明治時代の様に和と洋が入り混じった雰囲気です。この大きな椅子に座ると包み込まれる安心感があります。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

ちなみに、この席は私のお気に入りです。初めて行った時も、2回目に行った時も、この場所に座って読書を楽しみました。椅子の安心感と、部屋や庭など全体がよく見渡せるところが気に入っています。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

この部屋の奥には伝統的な和室があります。初めてでもこの場所に来ると「あ、なつかしいなぁ…」と感じます。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

ただひとつだけ見たことのない、違和感を覚えるものが。それがこの椅子。初めて見た時は座り方もわからずジロジロと眺めてしまいましたが、どうやら胡坐あぐらをかいて座るようです。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

窓際にある盆栽が日光を浴びてとても気持ち良さそうです。日本の趣とは、こういうものだと思い出させてくれます。室内には心地良い音楽も流れていて、本に集中すると聞こえなくなり、ふと意識を戻すと聞こえてくる。程よい音色が気持ちを癒してくれます。

ゆふいん文学の森 - 本の読める喫茶室

ちなみに入口から左の場所には個室もあり、ここには太宰治の貴重な初版本も展示されています。他にも小説家の「大全集」など、一生かかっても読み切れないほどの本が並べられています。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース

1階は「読書のできる喫茶室」。こんなにも本を楽しめる場所があるなんて、読書好きには夢の様な空間です。

そして2階は「読書スペース」です。さらに読書を楽しむ人向けの空間です。

2階「読書スペース」

2階には「太宰治が暮らした部屋」を含めて、5つの部屋があります。それぞれの部屋に「太宰治の作品名」が付けられています。

各部屋の名称
  • 富嶽百景
  • 走れメロス
  • 斜陽
  • グッドバイ
  • HUMAN LOST
    (太宰治が暮らした部屋)

2階に上がると手前左側にあるのが「富嶽百景」。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース
▲富嶽百景

「富嶽百景」の部屋の窓から外を眺めると富士山…ではなく、湯布院の象徴でもある美しい「由布岳」が見えます。本を読みたいのに、このような景色を見せられると、ずっと見てしまうので困ってしまいます。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース

窓の外から視線を右へずらすと、昔ながらの雰囲気が。本当に当時のまま東京から持ってきたのだな、と実感します。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース

そしてこの「富嶽百景」には、だれにも邪魔されない読書スペースがあります。正面以外を壁に囲まれていて読書に集中できます。自宅のこの場所を作りたいなーと切実に思いました。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース

「富嶽百景」の他にも、「走れメロス」や「斜陽」、「グッドバイ」など、それぞれ趣の違う部屋があります。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース
▲走れメロス

各部屋には様々なジャンルの本が置かれてあり、気の向くままに手に取って読書を楽しめます。私の好きな写真家「星野道夫」さんの本も置かれていて嬉しかったです。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース
▲斜陽

私のお気に入りの部屋は「富嶽百景」と「グッドバイ」。「グッドバイ」は、昭和の時代に戻ったような(ほとんど経験してないけど)昔ながらの和室。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース
▲グッドバイ

この窓から差し込む光を浴びながら畳で本を読むと、子供の頃に戻った様な気持ちになります。そして不思議とここで暮らしている様な錯覚にも陥ります。

ゆふいん文学の森 - 読書スペース

やはりどこかにこの伝統的な日本の空気を自分が求めていたのか、と気づかされた気がします。普段住んでいる鉄筋コンクリートのマンションとは違う暖かさに包まれました。

2階の「読書スペース」は、どの場所でも落ち着いて読書を楽しめます。冗談でもなく、過剰な言い回しでもなく、1日中いたくなる空間です。

③由布岳の見える庭

ゆふいん文学の森 - 由布岳の見える庭

「ゆふいん文学の森」の庭からは、「由布岳」を望むことができます。この庭でも読書をすることができるようにテールブルと椅子が用意されています。

ゆふいん文学の森 - 由布岳の見える庭

開放的な空間で本を読む喜び、そして本から目を少しあげると圧倒的な由布岳が望める。このロケーションもまたここに通いたくなる理由です。

ゆふいん文学の森 - 由布岳の見える庭

秋になると「碧雲荘へきうんそう」を紅葉が彩ります。本を読むのはもちろん楽しいのですが、目の前の由布岳であったり、季節を楽しめる紅葉であったり、美しい景色を観ていると、それだけで読書をしている気分にもなります。

ランチ・軽食

ゆふいん文学の森 - メニュー
▲メニュー

「ゆふいん文学の森」では、読書だけでなくランチや軽食も楽しむことができます。まずは名前に「読書」が付けられている読書をするためのメニュー「読書コーヒー」と「読書紅茶」。

①読書コーヒー/読書紅茶

ゆふいん文学の森 - 読書コーヒー/紅茶

「読書コーヒー」と「読書紅茶」は、まさに読書をするためのメニュー。飲み物とケーキのセットです。

ゆふいん文学の森 - 読書コーヒー/紅茶

読書コーヒー」が運ばれてくると、まずこのコップに目を奪われてしまいました。画一的な形ではなく、独特で他ではなかなか見ることのない形です。持ち手の部分はくり抜いて作っているのだそう。ずっしりとした重みもあり「あ~これはこだわっているなぁ」と素人が見てもわかります。(お店も造り手も)

ちなみにこれは2度目に行った時で、1度目の時はまた違うコップでした。

ゆふいん文学の森 - 読書コーヒー/紅茶

この様な「本物」に触れる機会はあまり無いので、大事にしたいと思いました。

「読書紅茶」のカップは、「読書コーヒー」とは違いスッキリとした見た目。カップの下にはかわいいコースターが敷かれています。ひとつひとつにこだわりが見えて楽しくなります。

ゆふいん文学の森 - 読書コーヒー/紅茶

デザートは、ロールケーキに季節のフルーツが載っていて、1度目(9月)はシャインマスカット、2度目(11月)の時は柿で、紅葉だけでなく、ここでも季節を感じらます。

②肉々うどん

ゆふいん文学の森 - 肉々うどん

常連さんが必ず頼むと教えてもらった「肉々うどん」。

ゆふいん文学の森 - 肉々うどん

なんと「豊後牛」を使った肉うどん。分厚くとても食べ応えのあるお肉です。生姜の味も効いていて、これはやみつきになります。常連さんが頼むという理由がわかりました。

ゆふいん文学の森 - 肉々うどん

「読書コーヒー」を頼んで本を読み、読書スペースで本を読み、お腹がすいたら「肉々うどん」を食べる、というのが定着しそうです。

③大分キノコとチーズピザ

ゆふいん文学の森 - 大分きのことチーズピザ

もう1つ「大分キノコとチーズピザ」も頂きました。

大分の名産と言えば「しいたけ」。「しいたけ」が有名な大分のキノコを使ったピザがあるなら食べないわけにはいきません。

ゆふいん文学の森 - 大分きのことチーズピザ

キノコの素材の味がしっかりしていて、チーズとの相性も良い。読書だけでなく、料理も存分に楽しんでしまいました。

アクセス

①大分駅からのアクセス

大分駅から「ゆふいん文学の森」まで、高速で約45分、下道だと1時間程で行くことができます。高速道路を利用すると、別府周りで少し遠回りになって時間もあまり変わらないので、下道で行った方が良いのかなと思います。

「ゆふいん文学の森」へ入っていく道が少し分かりづらいのですが、高速道路を利用する場合も、下道を利用する場合も、国道210号から以下の道を通って行くことができます。

国道210号から「ゆふいん文学の森」まで

高速道路と並走しいている道に入っていき、突き当りを右折。坂道を下っていくと、右手に「ゆふいん文学の森」の看板が見えてきます。そこを右折し、砂利道を進み、最後に坂を上ると「ゆふいん文学の森」に到着です。

②大分駅以外からのアクセス

大分駅以外から由布院駅までアクセスについてはこちらの記事にまとめています。

由布院駅からは車で7分。3km弱あるので歩いていくには少し遠いと思います。

駐車場

駐車場は、建物の前の道沿いにあります。ここには数台停めることができます。少し狭いのでお気を付けください。

ゆふいん文学の森 - 駐車場

あと、この駐車場の手前を右に入った場所にも、停めることができるそうです。

ゆふいん文学の森 - 駐車場

まとめ

ゆふいん文学の森

大分県由布市湯布院町にある「ゆふいん文学の森」。

小説家である「太宰治だざいおさむ」が暮らした建物で読書をできる喜びは、他ではなかなか味わうことのできない経験です。

「太宰治」が暮らしていた部屋だけでなく、1階の「本の読める喫茶室」や2階の他の部屋で読書をすると、その快適さから「いつまででもいたい」「ここに住みたい」と思えるほどです。

読書好きにはぜひ訪れてほしい場所です。

管理人
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